#314

ミラーシェードをいつものように掛ける。短い警告音声の後、黒い視界に緑の走査線が格子状に張り巡らされていく。瞬間、世界は構築される。いつもと同じ手順、いつもと同じ世界──だった。肉体を置き去りに、電脳世界へと魂が囚われてしまうまでは。僕達は出口のない迷路を彷徨う。