#573

鋼鉄の乙女は今日も規律正しく折り目良く礼儀作法に則って仕事をこなす。ほとんどの者がミサへ出掛けた屋敷の留守を守るべく残っていた乙女の手を引き、主は暖炉の前へ。揺らぐ炎を見つめる乙女は無機質な表情を微かに綻ばせた。「……主様、時が止まればと願うのは贅沢でしょうか」