#580

さくさく。道すがらの霜柱を踏んで歩く。きしきし。水たまりの氷を踏んで歩く。ぎしぎ……ばりん。凍った湖の上はさすがに危険だった。氷の乙女に熱を奪われ抱かれ、沈みながら光へと手を伸ばす。館の綺麗な魔女が呆れて小言混じりにきっと助けてくれるから。僕はそっと目を閉じた。