#617

私を抱き締めて泣くあの子は、幼い娘を亡くしたばかりでした。彼女の娘の為に、と作られ、枕元に置かれていた私。いつもと変わらぬ音しか奏でられないけれど、今しばらく、あの子の為だけに謳う事をどうぞ赦してください。彼女の涙が身体に染み渡り、私は悲しみを知ったのですから。