#695

鋼鉄の乙女は今日も規律正しく折り目良く礼儀作法に則って仕事をこなす。書斎からの耳慣れない音を確かめに行けば主と猫。青菜をしょりしょり食べているのは純白の子うさぎ。主を問い詰めた乙女は無機質な表情を微かに綻ばせた。「……主様、私はこの子ほど愛らしくはありませんよ」