#704

鋼鉄の乙女は今日も規律正しく折り目良く礼儀作法に則って仕事をこなす。執務室へと運ぶお茶はいつもと違うもの。よくよく見れば茶器も違う。物珍しさから目を丸くする主に乙女は無機質な表情を微かに綻ばせた。「……主様、サクラ茶です。淡い色合いが春を思わせる優しい色ですね」