twnoveloff

#793

それは突然だった。空を切り裂いて響く音は紛れもなく殺気を孕むのは己を屠る気満々だ。「理由が思い浮かばないのだけれど?」「理由はいりません。私が貴方を嫌いだという事で充分です」「酷いなぁ」鋼鉄の執事の襲撃とも言える夜這いはこうして失敗した。…

#792

鋼鉄の乙女は今日も規律正しく折り目良く礼儀作法に則って仕事をこなす。突如響く轟音。何者かの襲撃かと身構える主を余所に音の主は、涼やかな表情のまま。構えを解いた乙女は無機質な表情を微かに綻ばせた。「……主様、鋼鉄の執事亡くとも私がおります」オ…

#791

薄暗い空間に集った男女。ここでは年齢も地位も肩書きも関係ない。たったひとつ、唯一の共通点のみが彼らを繋ぐ点であり線であり絆である。140文字という限られた数字で物語を紡ぎゆく、吟遊詩人達がここにいる。さて、webの奇跡はなにを生み出すか。二回目…

#186

初めて口紅を見た時、その色の毒々しさに嫌悪感が増した。初めて紅を引いた時、自分の中の女を感じた。初めて口紅をさした時、指先の熱で溶ける感覚を覚えた。初めて口紅を折った時、私は初めて人を殺す温かな感触と恍惚とに出会った。

#185

彼女との出会いですか? あまり覚えていませんね……なにせ雨が降り続く頃でしたからね。そのいつだったか、までは覚えてはいないさ。彼女は濡れそぼり、ただ静かに立っていた。俺は見過ごす事もできず、傘を差し出した。彼女は笑い、そして消えたのさ。

#184

「ねえ、覚えてる? はじめて会った時の事」「ああ、今でもよーく覚えてるよ」「貴方の黒鉄の鈍光が素敵だったわぁ」「君のその流線型のボディに僕の目は釘付けだったよ」「あら、お上手ね」「君の弾丸を喰らったのは後悔してないよ」「貴方のミサイルだって…

#183

「月がとても綺麗だから……プロポーズして良い?」「ヤダ」「なんでっ」「だって明日は月齢15、十五夜だもの。帰らなきゃ」「え、かぐや姫!?」「女は誰だって姫になれるのよ。素敵な王子様がいるかどうかは、別だけどね?」そう言った彼女は……

#182

「星辰の彼方よりただいま参上! あたし抜きにオフ会しようなんざ言語道断、百万光年早いのよ!」「誰だーッ、にゃるらとほてぷ様呼んだのはー!!」「すみません、ついてくるってどうしても聞かなくて……」「お前、そのねこののみこん持ってくるなよ」

#177

こんばんは、狼男です。人に紛れてやってるネットのオフ会がいよいよ明日に迫ってきました。内心落ち着きません。狼男だってバレたらどうしよう……賑やかな席は大好きだし、人と会うのも楽しみだけど、ネックは中秋の名月ってところです。吼えたらごめん。

#156

初めてのオフ会の朝はなんだかそわそわ落ち着かない。ネットではいろんなお話してきたけど、実際は何を話せばいいんだろう。期待と不安が一緒くた。服装、髪型、メイクOK。このそわそわ感は初デートの時に似ている。なんて事を思いつつ行ってきまーす。