#627

偉大なりし祖竜が啼く。人に奪われし我が仔を想うての咆吼は遠く遠く響きゆく。母なる祖竜は嘆きて食む──鮮血の肉塊にも似た紅き果実を。柔らかざる偽りの果実たるは柘榴石。死せる夜と生まれくる朝が幾度巡ろうとも彼女の悲しみはただ深く、そして仔を愛していた。 #12m2n

1月:ガーネット+「11文字の伝言」Sound Horizon